徒然なるままに花と愛犬の写真を


by katoliinu

カテゴリ:小話( 59 )

カトリックの犬


ムルドゥーンはアイルランドの田舎で愛犬を伴侶にして暮らしていた。ある日、愛犬が死んでしまい、彼は教区の神父さんを訪ね、「可愛そうなこいつのためにミサのお祈りを捧げていただけませんか」と頼んだ。


パトリック神父は「すまないねえ、教会の中では動物のためにミサを挙げられないんだ。ここを下って行くと、信仰のことはとやかく言わないバプティストの教会がある。そこで何とかしてくれるでしょう」と話した。


「そんじゃ神父さん、直ぐに行ってみます。お祈り代に5000ドルばかり献金すれば十分でしょうか」


とたんにパトリック神父は金切り声を上げた。「ムルドゥーンさん、どうして初めから、お宅の犬がカトリック信者だったと言ってくれなかったのかね」











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by katoliinu | 2012-11-18 23:19 | 小話

おばあちゃんの知恵


老夫婦が朝食のためレストランに入った。

そこの「高齢者用特別料理」は、

卵が2個、ベーコン、ハッシュッド・ポテト、トーストで、1.99ドルだった。



妻は「いいわね~」 といいながら、 「卵は要らない」と言った。

ウェイトレスが

「それですと、一品料理のご注文になりますので2ドル49セントになります」

と注意した。

「卵のお代は引けないということなの?」と妻はいぶかしそうに訊ねた。

「左様でございます」

「では、特別料理を頂きますわ」

「卵はいかが料理しましょう?」

「カラを破らないで、生卵でお願いします」




彼女は卵を二つ家に持ち帰った。








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by katoliinu | 2012-07-02 21:06 | 小話

春 琴 抄


少女は盲目の自分が嫌いだった。そればかりか誰も彼もが嫌いだった。だがボーイフレンドだけは別だった。少年は少女のためにいつも傍に付き添っていた。あるとき少女が少年に打ち明けた。

「もしこの目が見えさえすれば私はあなたと結婚したいわ」

そんなことがあってから、ある日、誰からか一対の眼球が少女に提供された。包帯が外れたとき、少女はボーイフレンドはもちろん何もかも見えるようになった。

少年は「とうとう世の中が見えるようになりましたね。僕と結婚してくれますか」と少女に尋ねた。そのとき少女はボーイフレンドを見て、彼も盲目であることを知った。閉じているまぶたを見てショックをうけた。少女には思いがけない事実だった。

これからの生涯のことを考えると、少女の心は少年との結婚を否定する方向に押しやられてしまった。

ボーイフレンドは涙にくれて立ち去った。暫くして、短い手紙を少女に書き送った。それには次のようにしたためられていた。

「あなたの目を大切にしてください。その目はかつて私の目でした」






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by katoliinu | 2012-06-03 19:53 | 小話

盲のパイロット


男はシアトルからサンフランシスコ行きの飛行機に乗っていた。

突然、飛行機はサクラメントに向かって迂回コースをとった。

客室乗務員は、到着時間に遅れが出るだろうから、

希望者はサクラメントでいったん外へ出て、50分後に再搭乗できると説明した。



全員が飛行機から降りたが、目の見えない女性が一人、機内にとどまった。

彼女の脇を通ったときに

盲導犬が飛行中ずっとおとなしく彼女の足もとに坐っていたので

その女性は目が見えないのだと男には分かっていた。



彼女は以前、同じ便に搭乗していたらしく、パイロットが彼女に近づいて

「キャシー、この飛行機は今サクラメントに降りて、一時間ほど駐機します。

もしよかったら、飛行機を降りて脚を伸ばしたらどうですか」と話しかけた。

すると目の見えない女性は「私は結構ですが、この子がそうしたいようです」と答えた。



パイロットは盲導犬を連れてタラップを降りて行った。

しかもサングラスを掛けて。

これを見た途端に、搭乗口にたむろしていた乗客たちの話し声がやんでシーンとなった。

そして誰もがあわててターミナルの中へ消えてゆき、

他の便に乗り換えたり、他の航空会社に切り換えた。







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by katoliinu | 2012-04-22 20:42 | 小話

義理の母


婦人には3人の娘がいた。

ある日、彼女は3人の娘婿を試すことにした。



手はじめに婿のひとりを誘って湖畔の散歩中わざと湖に落ち、溺れたふりをした。

婿は迷わず湖に飛び込み、義母を助け上げた。

翌朝、婿は自分のガレージの前に眞新しい車があることに気がついた。

ワイパーには義母のお礼の言葉をしたためた紙がはさんであった。



2~3日たって、婦人は2人目の婿を試した。

彼も湖に飛び込み義母を救いあげた。

感謝のメモをワイパーに挟んだ新車を贈った。



さらに2~3日後、3番目の婿に同じテストをした。

彼は義母が溺れている最中、1センチたりとも動こうとしなかった。

じっと見ているばかりで 

「とうとう、このばあさんとも別れのときがきたか」 と思った。



翌朝、義父からの感謝のメモ紙が貼られた新車が婿に届けられた。









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by katoliinu | 2012-04-07 20:55 | 小話

葉 巻



ある男が非常に高価な葉巻を一箱購入し、その葉巻に火災保険をかけた。一月もたたないうちに彼は、保険契約証書に求められている第1期保険料の支払さえまだ済ませていないのに、箱詰めの高価な葉巻を全部吸いきってしまい、保険会社に保険金の支払を求める訴訟をおこした。


申し立ての中で男は、一連のささやかな火事により葉巻を失ったと主張した。それに対して保険会社は、男は普通の流儀で葉巻を消費したという明白な理由から支払いを拒否した。


しかし裁判所は、男の申し立てを認める判決を下した。その中で裁判官は保険会社の指摘に同意しながらも、男が保険会社から保険証書を入手しており、その証書は葉巻が保険の対象になりうること、火災に対しても付保されていることを保証し、容認できない火災としてみなす場合の定義がうたわれていないことを理由に、保険会社に対し保険金を支払う義務があると述べた。


保険会社は判決を受け入れることにした。ここで抗告しても、裁判は長期にわたり、費用がかさむと思われたからで、男に対し火災による消失で蒙った損害として1万5千ドルを支払った。


男が小切手を現金に換えた後、今度は保険会社が24件の放火のかどで彼を警察当局に逮捕させた。男が保険金の支払を申し立てたときの裁判で彼が行なった証言がそのまま彼に使用された。つまり男は彼の被保険物である資産を故意に燃やしたことにより有罪を宣告され、24ヶ月の懲役刑および罰金2万4千ドルを課す判決が下されたのである。






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by katoliinu | 2012-03-16 21:03 | 小話

三つの願いごと


会社の営業担当、総務担当、役員の3人が昼食を摂るためにレストランへ行く途中、

骨董品屋の店先で石油ランプのアンティークを見つけた。



3人がランプをこすると、吹出した煙のなから魔神が現れた。

魔神いわく

「いつもなら三つの願いを叶えてあげるところだが、今日は三人に一つずつ願いを叶えて進ぜよう」



総務担当が「はい、はい、あたしが最初よー」とはしゃぎながら前に出た。

「バハマに行って、浮世のややこしいことを忘れてスピードボートを乗り回したいの、お願いします」

とたんに彼女はバハマにワープしたらしく、姿が見えなくなった。



次に営業担当が「二番目は私」と願い出て、

「ハワイに行きたいです。専属のマッサージ師をつれて浜辺でのんびり過ごしたり、

ピニャコラーダ・カクテルを好きなだけ飲んだり、自分の人生をこよなく愛して過ごしたいです」 

とたんに営業担当はハワイに行ってしまった。



「さあ、最後になったが」と魔神は役員をうながした。

「はい、あの二人がさっさと昼食をすませて、事務所に戻ってくるようお願いします」






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by katoliinu | 2012-02-27 20:41 | 小話

バレンタインデー


今日はバレンタインデーですね~

近くの映画館でバレンタイン特選をやってたので、

「ブルーバレンタイン」という映画をみてきました。

ハッピーな物語ではなく、愛が終わる痛みを描いた映画でした。007.gif

永遠に変わらない愛はないんですね~   (゚ー゚)(。_。)(゚-゚)(。_。)うんうん



男性諸君には、ある意味『バレンタイン』は受難の日なんですよねっ!

チョコは平等ではなく、かたよって配られるんだもんね~^-^

義理チョコもらっても、嬉しいような~・・・ 

貰わないよりましなような~・・・    複雑な気持ち^-^









            ビター     

街のディスプレイも赤やピンクのハートで華やぐ、なんとなく浮ついた二月のある日。

「バレンタイン、楽しみだな。どんなチョコレート、くれるの?」

最近、会っても素っ気ない彼が、チョコレートのリクエストをしてきた。



「甘いもの好きじゃないけど、大人の味が好みだな。去年みたいなケーキもおいしかったけど、

流行のトリュフもいけるよね。あ、思いっきりビターなやつもいいな」

この間の記念日も、私の誕生日も忘れてたくせに、まったく、よくそんな口がきけるよね。




   バレンタイン当日。

            一番ビターな現実をお見舞いしてやった。








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by katoliinu | 2012-02-14 18:19 | 小話

遺産の行方



独身のダンは父親の家に住み、家業を手伝っていた。

病弱な父親が死ねば自分が財産の相続人になることに気がついた彼は、

財産を共有する伴侶を探さねばなるまいと判断した。




ある日の晩、投資家の会合で、彼は今までに見たこともない美しい女性を見つけた。

ものごしが自然で飾らない美しさに息を呑んだ。

「僕はありきたりの男に過ぎません」そういってダンは女に話しかけた。

「だけど父の命はあと数年なんです。そして2百万ドルの資産を相続することになるんです」


心を動かされた女性はダンに名刺を求めた。


それから3日後女はダンの継母になっていた。







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by katoliinu | 2012-01-24 20:26 | 小話

ミラーさんとビー玉



不景気でさびれたアイダホの小さな町。
年の終わりも近づいたころ、農場でとれたての生鮮野菜を買おうとして、
私はいつものようにミラーさんの露店に立ち寄った。

ミラーさんは旬のジャガイモを袋に詰めてくれた。
私の脇に痩せて顔立ちの整った少年が立っていた。
衣服はくたびれてはいたが清潔だった。
ひもじそうな様子で、
かごに入った採れたてのグリーンピースの値踏みをしているようすだった。

私はジャガイモの代金の支払いをすませたが、
みずみずしいグリンピースに気を引かれていた。
グリーンピースと新ジャガのクリーム煮が好きなのだ。
どうしようか迷っているときに、
盗み聞するわけじゃないのだが貧しい身なりの少年とミラーさんとの会話が聞こえた。

「バリー、元気かい?」
「こんにちは、ミラーさん。有難うございます。元気にやってます。立派なグリーンピースですね。見とれていたんです」
「いいできだよ、バリー。お母さんの具合はどうだい?」
「ええ、元気です。日に日によくなっています」
「そりゃよかった。ワシができることは何かあるかね?」
「いまは特にありません。グリーンピースに見とれていただけなんです」
「いくらか持って行くかい?」
「いいえ、結構です。お金がありませんから」
「それじゃあどうかね、何かの品物とグリーンピースと物々交換では」

そのころは食料品もお金も極度に乏しかったので物々交換が広くおこなわれていた。

「今ここに持っている物はビー玉しかありません」
「それでいいのかい。どれ、見せてごらん」
「これです。素晴らしいものなんです」
「見ればわかるさ。ふ~む、この青いやつだけかい。欲しいのは赤いビー玉なんだがね。お家に赤いのをもってないのかい?」
「そっくり同じ物はないです。だけど殆ど赤に近いビー玉はあります」
「それじゃこうしよう。一袋、持っていきな。こんどここを通りがかったときに赤のビー玉を見せてくれよ」
「はい、わかりました。ミラーさん、有難うございます」

私のそばに立っていたミラー夫人が近寄ってきた。
「この近所にはバリーの他にも似たような境遇の子供が2人いるんです。3人ともとても貧しい家庭の子供たちですの」と笑顔で話してくれた。

「夫はあの子たちにグリーンピースやリンゴだとかトマトなどを物々交換で売って上げるのを喜んでるのよ。それで、子供たちが律儀に赤いビー玉を持って戻ってくると夫はなんだかんだと、赤いビー玉は好きじゃないから緑かオレンジ色のビー玉を持ってこいなんて気まぐれなことを言いながら、野菜や果物を持たせてるんです」

私はいい話を聞いて心をうたれ、ひそかに微笑を覚えながらミラーさんの露店を後にした。

それから程なくして私はコロラドに引越したが、ミラーさんのことや少年たちとの物々交換のエピソードを忘れることはなかった。
たちまち5~6年が過ぎたころ、アイダホにでかけることになり、昔なじみを訪ねる機会ができた。
その滞在中にミラーさんが亡くなったことを知った。
その晩、友人たちは棺に納められた故人との対面にいくというので、私も彼らと一緒に弔問することにした。
葬儀場につくと弔問客が列をつくっており、われわれも行列のあとについた。
一番前の弔問客が故人の親族にお悔やみを述べていた。

私たちの前には3人の青年が並んでいた。
一人は軍服に身を固め、他の二人は髮形をきちっと整え、黒いスーツに真っ白のシャツを着て、3人とも立派な社会人らしくきりっとしていた。
棺の傍らで微かに笑みを湛えて静かに立っているミラー夫人に近づき、青年たちは一人ひとり夫人を抱き締め、頬にキスをして、言葉みじかに挨拶をし、棺へと進んだ。
夫人の涙をにじませた水色の瞳が3人の青年に注がれていた。
青年たちは棺の中に横たわったミラーさんの冷たく青みをおびた手に自分の温かな手を添えた。
悲しみに堪え、涙を拭いながら青年たちは葬儀場を後にした。

続いて私たちが前に進みミラー夫人にお悔やみを述べた。
私はミラーさんの露店で一人の青年を目にしたあの日の光景や、夫人から聞いたビー玉の話を打ち明けた。
夫人は目を輝かせて私の手を握って棺の傍らに引き寄せた。

「たったいま帰っていった3人の青年が、私のお話した子供たちですよ。あの子たちは、夫の“ビー玉交換”にどれほど感謝しているか、私に話してくれました。夫もとうとうビー玉の色や大きさについてあれこれ言えなくなってしまい、あの子たちは借りていたものを返しにきてくれたのです。私どもはこの世で一度もお金持ちになったことはありませんが、今ごろ夫はアイダホ一番の金持ちになったと思ったことでしょう」

そう言って夫人は、深い愛情のこもった柔和さで生気の消えた夫の指を持ち上げた。
その手の中には3個の赤いビー玉が美しく輝いていた。







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by katoliinu | 2011-12-26 19:08 | 小話