イタリア少年の告白
2009年 07月 27日
少年は教会の告解室に入った。
「神様のお恵みをお授けください、神父さま。私は罪を犯しました。不良少女とつきあっていたんです。」
「ジョーイ・パガーノっていうのは君だね。」
「はい、神父さま。」
「それで、君がつきあってた不良少女はどの子ですか。」
「それは申し上げられません、神父さま。彼女の評判に疵をつけたくないんです。」
「あのねジョーイ、いずれはその子の名前が私にも分かるんだから、君もその子の名前を明かしなさい。ティナ・ミネッティですか。」
「言えません。」
「テレサ・マツアレッリかね?」「絶対に言えません。」
「じゃあ、ニーナ・カペリだったとか。」「ごめんなさい、名前は言えません。」
「キャシー・ピリアーノですか。」「口にチャックしました。」
「ローザ・ディ・アンジェロだろうか。」
「神父さま、お願いです、申し上げられないのです。」
神父はいらいらしてため息をついた。
「君の口は堅いんだね、ジョーイ・パガーノ。立派なことですよ。だけど、君が犯した罪はつぐなわなければなりません。これから4ヶ月間はミサのお手伝い(侍者)はできません。家に帰って行儀よくしていなさい。」
ジョーイは告解室を出て、祈りの席に戻った。
横の席で待っていた友達のフランコは位置をずらし、彼にすり寄って囁くように尋ねた。
「どうだった?、収穫は。」
「4ヶ月の休みと、ネタを五ついただきさ。」
by katoliinu
| 2009-07-27 13:07
| 小話